歯周組織再生療法Periodontal Guided Tissue Regeneration
歯周組織再生療法とは
破壊された歯周組織(※)も再生可能に
歯周病になると、慢性的に歯肉が炎症を起こしている状態となります。そのため自覚症状が現れにくく、患者様ご自身が歯肉からの出血や歯のぐらつきを自覚したときには、歯槽骨(歯を支える骨)が吸収されているなど、歯周組織の破壊が始まっていることも珍しくありません。
歯周組織再生療法は、このように破壊された歯周組織を再生させ、歯周病になる前の健康な状態へと改善する治療です。
※歯肉、セメント質(歯根の表面を覆う組織)、歯根膜(歯根と歯槽骨をつなぐ組織)、歯槽骨から成り、歯を支える働きをする組織。
マイクロスコープを用いた精密根管治療
精密根管治療(マイクロエンド)について
根管治療とは、歯の内部と基礎部分を扱う、高い技術力が求められる治療です。
一般的な根管治療の多くは、進行した虫歯で侵された歯に対し、歯髄(神経)を取り除く治療や抜歯を行ないますが、当院ではできるだけ歯を抜かない対応を第一に考えています。
入り組んだ歯の深部まで適切に処置するために、マイクロスコープを使用して細かなチェックを欠かさず、精密な根管治療を行ないます。
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歯髄炎
虫歯が重症化し歯髄(歯の神経)にまで達した状態です。炎症が治まらない場合は、根管治療が必要になります。
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歯髄壊死
歯髄炎を放置すると歯髄が壊死し、痛みが無くなり症状が収まります。治ったわけではないので、抜歯することになる前に根管治療で対応します。
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根尖性歯周炎
(こんせんせいししゅうえん)
歯根の奥、骨の中にまで炎症が進むと「根尖性歯周炎」という状態になります。噛むと非常に強い痛みが走り、歯肉から膿が出ます。根管治療をしないと、顎骨から炎症が広がり全身にまで危険が及ぶ可能性があります。
治療の特徴
歯科用のマイクロスコープ(顕微鏡)
根管治療では、歯の内部の複雑な構造に起きた炎症を精密に把握する必要があります。
当院では、これまで歯科医の経験と勘に頼っていた部分を、より的確に処置するため、根管治療において歯科用拡大鏡(ルーペ)を必ず用いています。
状況に応じて、さらに患部を拡大して診られるマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)も使用します。
拡大鏡は約6倍、歯科用顕微鏡は最大約16倍にも拡大可能です。これらを用いることにより、スケーラーの挿入角度、力のかけ方、歯肉への侵襲具合などの細かい動きもはっきりと確認できます。
とくに歯科用顕微鏡は世界でも多くの歯科医師が採用している機材を採用し、わずかな隙間やひび割れなどをしっかりと確認して、的確かつ安全な口腔内の治療に役立てています。
こうした装置を使用する拡大視野下での処置には、基本的に時間がかかりますが、患者様の歯の寿命を延ばすための細やかな治療を第一に考えています。
無菌完全個室のオペ専用室
根管治療は歯の深部に菌が侵入しないよう治療することが重要です。
当院では患者様に安心して受診いただけるよう、完全個室のオペ専用室を完備しています。
滅菌した器具の使用・ディスポーザブル(使い捨て)による滅菌対策
当院で使用する診療器具はひとつずつ滅菌パックに入れて滅菌し、診療の直前に開けて使用しています。
また滅菌処置のできないコップやエプロン、トレーなどは使い捨てのものを採用し、徹底した衛生管理に努めています。
逆根管治療
歯根の先から根管充填する「逆根管治療」で良好な予後を
通常の根管治療では治らない根尖病巣(歯根の先端の炎症や膿)ができた場合、病巣の摘出、根尖の切除を行ないます。最後に根管充填(根管内を薬剤で密封する処置)を行ないますが、通常のように上からではなく、歯根の先から充填することから、この一連の治療は「逆根管治療」とよばれています。
しかし、歯科医師がこの手術を習得する機会がないこと、適応症が曖昧なことなどから、残念ながらこの方法は正しく理解されているとはいえません。その結果、逆根管治療ではなく通常の根管治療が行われ、治療の成功率が低くなったり、歯質を弱めることになったりするなど、患者様に悪影響を及ぼしてしまうことも少なくありません。
当院では、治療の成功率を上げ、より長くご自分の歯を維持していただけるよう、適応する症例にはこの逆根管治療による処置を行なっています。この治療では歯根の断面を診る必要があるので、より精確性の高い処置を行なえるよう、術野を拡大して診られるマイクロスコープを駆使しています。また、逆根管充填材には、抗菌性や石灰化促進作用、生体親和性に優れた材MTAセメントを使用しています。
歯牙移植(歯科口腔外科)
歯牙移植とは?
歯牙移植とは、失ってしまった歯の部位に、別の場所にある自分の歯を移植し、再生させる治療です。
インプラントや入れ歯とは違ってご自身の歯を使用し、ブリッジのように周囲の歯を削る必要もありません。見た目にも機能的にも自然な噛み合わせが再現できる治療となります。
移植する歯の状態や、患者様の健康状態によっては手術ができない場合もありますが、手術の条件を満たし治療できれば、きわめて有効な歯の再生方法だといえます。
歯牙移植が可能な条件
歯牙移植を行なうためには、いくつかの条件があります。
- ・噛み合わせに必要のない健康な歯(親知らずなど)があること
- ・移植する歯の形がなるべくシンプルであること
- ・すべての歯が虫歯や歯周病などでない、もしくは治療済みであること
- ・移植される側の顎骨がしっかりしていること
またこの治療では、40代までの若年層であるほうが成功しやすいことなど、上記の条件以外にも慎重に検討が必要となります。
当院ではじっくりと診察・カウンセリングを行ない、治療の可否の判断をさせていただきます。