一般治療General dentistry
虫歯治療(一般的な歯科治療)
虫歯とは
虫歯とは、口内の虫歯菌が生み出す酸によって、歯が溶かされる病気のことです。 虫歯菌は、糖分を糧に活発に働いて歯垢(プラーク)を形成します。除去しない限り、虫歯菌はこの歯垢の中でどんどん増殖し、酸を作って歯にダメージを与え続けます。 初期段階を過ぎた本格的な虫歯は、多くの場合、虫歯菌に侵された部分を削って、詰め物やかぶせ物を施す治療を行ないます。このため症状が進行するほど、歯を削る量が多くなり、治療は大規模なものとなります。 完全に歯を失ってしまった場合には、インプラントやブリッジ、入れ歯などの治療ができますが、技術が進歩しているとはいえ、患者様ご自身の歯より優れたものにはなりません。替えのきかないご自身の大切な歯を、一生長く使い続けられるように、虫歯の早期発見・早期治療に取り組みましょう。
歯科治療における「痛みの軽減」への取り組み
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麻酔注射の痛みを
軽減するための
表面麻酔を塗布麻酔針を刺す部分の歯肉に、表面麻酔(塗る麻酔薬)を塗り、麻酔針が刺さるときの痛みを感じにくくさせます。
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現在最も細い
33Gの超極細の
麻酔針を使用一般的なものより細い超極細33G(約0.2mm)の麻酔針を使い、歯肉に麻酔針が刺さるときの痛みを軽減します。
(2019年3月現在) -
肌の温度に合わせて
麻酔薬の温度を調整し
刺激を軽減麻酔薬が冷たいとそれが刺激となり痛みの原因になるので、体温程度まで温めた麻酔薬を使って痛みを抑えます。
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細かな調整が可能な
電動麻酔器で
さらなる安心を手動では注入時の圧力のムラが痛みの原因でしたが、電動だと均一の圧力で麻酔薬を注入でき、痛みを軽減できます。
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笑気麻酔
正式には笑気吸入鎮静法といい、低濃度(30%以下)の笑気ガスと高濃度(70%以上)の酸素を鼻から吸引する方法です。吸入後はウトウトしたような心地よい状態になるので、痛みや恐怖を感じることなく治療を受けられます。治療後30分ほどで体外に排出されるので、患者様の身体に負担をかけることもありません。お子様にも適用できます。
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可能な限り歯を
侵襲しないMIバー虫歯治療では、バーという切削器具を使って患部を除去し、補綴物が適合しやすい形状に削って整える必要があります。
当院では、スリムネックを採用することで切削状況を見やすくした、MIバーを導入しています。健康な歯質を必要以上に削らず、患部のみを除去できるので、歯の健康が損なわれることがありません。 -
口腔内カメラ
当院では口腔内カメラを使ってお口の中を撮影し、モニターに写し出して、磨き残しのある部分や患部を患者様にご確認いただいています。ご自分の目で現状を把握できるので、治療への意識も高まります。カメラはペン型でコンパクト、狭いお口の中でも動かしやすい形状なので、患者様の不快感がほとんどありません。
虫歯の進行
虫歯は、対処せずに回復することはない病気です。ごく初期の段階では、身体の自然治癒力によって治ることもありますが、基本的に何もせずに放置すると、症状はどんどん進行していきます。
早い段階で発見して治療すれば、歯をあまり削らずに、簡単な処置で対応できます。
虫歯の進行度は、次の5つの段階に分類されます。
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CO
CO:歯を削らなくて済む場合のある、ごく初期の段階です。歯の溝が変色してきますが、痛みなどの自覚症状はありません。
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C1
C1:歯の表面のエナメル質が溶かされて穴があいてきます。また痛みは出ませんが、この段階以降は虫歯部分を削って詰め物をする治療を行ないます。
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C2
C2:エナメル質より下の象牙質まで、虫歯が進行した段階です。冷たいものがしみたり、痛みを感じることもあります。
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C3
C3:虫歯が歯の歯髄(神経)にまで進行し、ズキズキとした強い痛みを感じます。歯肉が腫れ、膿が出ることもあります。深刻な場合には、歯髄を取り除く必要も出てきます。
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C4
C4:歯の深部にまで虫歯が到達した段階です。神経が死んでしまうので痛みが治まることがありますが、歯根の先に膿が溜まって炎症を起こすと、再び激しい痛みが出ます。この段階になると歯を残すことは難しく、抜歯をして入れ歯やブリッジ、インプラント治療を行ないます。
歯周病
歯肉炎・歯周病とは?
歯周病は、口内の歯周病菌が毒素を出して、歯肉に炎症を引き起こす病気です。
進行すると、歯肉の内部にまで影響し、顎骨を溶かしてしまいます。
初期の段階では、痛みなどの自覚症状が全く出ないため、患者様ご自身で異変を感じたときには、すでに症状が進んでいるということも少なくありません。
「歯磨きで出血する」「噛んだときに痛む」「歯がぐらつく」「口臭を感じる」など、少しでも気になることがあった場合には、早めに歯科医院を受診して歯周病チェックをしてください。
歯周病は進行段階により、大きく2つに分類されます。
歯肉の炎症による出血・腫れが特徴の「歯肉炎」と、歯を支えている顎骨まで溶かされた「歯周炎」です。
顎の骨が溶けると歯が支えられなくなり、ぐらぐらとしてきます。放置すると最終的に歯は抜け落ちます。溶けた骨を取り戻すのは非常に難しいので、歯周病を重症化させないことが大切です。
また、歯周病が進行して細菌が増殖すると、全身にもさまざまな悪影響を及ぼすことがわかってきました。誤嚥性肺炎といった呼吸器疾患や心臓病の原因となったり、妊婦時には低体重児出産や早産のリスクが高まります。
歯周病の早期発見・早期治療は、口内を含む全身の健康維持のために、極めて重要な役割を果たします。
歯周病の原因
歯周病の主な原因は、歯垢です。
歯垢は粘着性が高く、歯間や歯のくぼみ、歯周ポケットにこびり付いています。歯垢は食べかすを栄養に繁殖した細菌が形成しており、酸を生み出しながらどんどん増殖します。
歯垢が唾液中のカルシウムと結びつくと、歯石となります。こうなると普段の歯磨きでは取り除けなくなり、ますます細菌の温床と化して歯肉にダメージを与えます。
- 他にも歯周病を悪化させる間接的な原因には、次のようなものが挙げられます。
- ・糖尿病、高血圧、ホルモン異常等の全身疾患
- ・歯のかぶせ物の不適合
- ・悪い噛み合わせ
- ・歯ぎしりや食いしばり
- ・ストレスや不規則な生活習慣
- ・多量の飲酒や偏った食生活
- ・喫煙
※歯垢や歯石を原因としない遺伝が関係しているものや、特異的に働く歯周病菌の感染によるものなどもあります。
歯周病の検査
歯周病治療でまず大切なのは、進行状況を的確に把握するための検査です。
当院では、次のような検査で歯周病の状態を確認し、治療を開始しています(歯周病細菌検査については要検査の場合のみ)。
- 歯周ポケット検査
- 歯周ポケットの深さを検査します。歯周ポケットの深さが2ミリ以上ある場合には、歯周病治療の必要性があります。
- レントゲン検査
- 歯石の付着状況や顎骨の損傷状態は、レントゲン検査でチェックします。
治療前だけでなく、治療途中と治療後にも必要に応じて撮影し、治癒経過を確認します。 - 口腔内写真検査
- 歯肉や噛み合わせの状態などは、写真で記録します。
- 歯周病細菌検査
- 歯周病を引き起こす細菌は複数存在し、それぞれに効果が出やすい薬があります。
そこで当院では、患者様の口内細菌の種類や数を把握するために、歯周病治療でDNA検査を取り入れています。
歯垢や歯石を必要としない歯の周囲の骨を破壊するタイプの歯周病菌も、この検査で早期に検知することで、すぐに抗菌療法にて対応できます。
(DNA検査にはB.M.L社の細菌検査PCR-インベーダー法を導入しています。)
歯周病の治療の流れ
歯周病は、進行度によって次のような治療を行ないます。
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1
プラークコントロール(ブラッシング指導)軽度の歯周病に対しては、プラークコントロールが効果的です。セルフケアできるよう、正しいブラッシングの方法を歯科衛生士が指導します。
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2
スケーリング・ルートプレーニング(歯石除去)歯周病が中程度に進行している場合、歯磨きで落とせない歯周ポケットの奥にある歯垢を、スケーリングやルートプレーニングといった専門の器具を使って除去します。
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3
歯周外科手術スケーリングやルートプレーニングでは取りきれない、歯根の先や歯根の間にこびり付いた歯垢・歯石は、外科手術で歯肉を切開して除去します。
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4
補綴処置(かぶせ物、義歯、ブリッジ、インプラント等)歯周病になった患部の治療後は、必要に応じてかぶせ物や義歯、ブリッジ、インプラントなどの補綴物(ほてつぶつ)で修復します。
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5
メインテナンス歯周病でもっとも大切なのはメインテナンスです。患者様ご自身のホームケアと、歯科医院での定期的な検診で、再発を防止し健康を維持しましょう。
歯周組織再生療法とは
歯周病治療によって歯周組織の健康は回復しますが、歯肉の位置が下がって歯が長くなったように見えることがあります。また深刻な歯周病だった場合には、溶けた顎骨の量が多く、元の骨量まで自然に戻ることは、非常に難しくなります。
このようなケースでは、歯周組織再生療法を行ないます。
歯周組織の再生を担う細胞を誘導し、歯肉や歯槽骨の位置を回復させる治療です。
歯周組織再生療法にはさまざまな手法があり、特徴や費用などに違いがあります。患者様の状態に合った治療法をご提案しますので、まずはお気軽に当院までご相談ください。
※歯周組織再生療法は保険適用外(自由診療)となります。
小児歯科
歯科治療にはどうしても怖いイメージがつきものです。
当院ではお子様の恐怖心を和らげ、できるだけリラックスした状態で受診していただけるよう、まずは歯科医院に慣れていただくトレーニングから始めていきます。
そのため初診の際には、実際の治療まで至らないこともありますが、トラウマを負わせない安心できる歯科治療の第一歩として、保護者の方とともに根気よく対応させていただきたいと考えています。
生活習慣指導や歯ブラシ指導など、虫歯になりにくい口内環境づくりのアドバイスもいたします。