予防治療Preventive dentistry
歯の予防治療の必要性
治療で一番大事なのは「治療が終わってから」
虫歯や歯周病を治療されたあと、再発しないために大切なことは何だと思いますか?
多くの方は、毎日の歯磨きを挙げられると思います。もちろん口内を清潔に保ち、日々細菌を除去することは重要ですが、実は歯磨きだけでは難しいのです。
口内の状態は患者様によって大きく違います。歯列の構造によって磨きやすさは変わってきますし、唾液の量や歯質も細菌の繁殖状況に影響します。磨き方に癖もあるでしょう。
ご自身では気づきにくいこうしたリスクに対しては、歯科医院でのメインテナンスが効果的です。
当院では患者様それぞれの状態をしっかりと確認したうえで、適切な予防処置を行ないます。
虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、病気になる前のリスクを徹底的に減らし、早期発見・早期治療のために歯科医院をご活用ください。
定期健診・クリーニング
当院では、患者様の症状に応じて1〜6ヵ月に1回、定期健診とクリーニングの受診をおすすめしています。
虫歯治療などで設置したかぶせ物や詰め物は、あくまで「修復物」です。修復物と歯の間にはどうしてもミクロ単位での段差ができます。その部分には汚れがたまりやすく、虫歯になるリスクが高くなります。このため修復物自体とその周囲の状態は、定期的にチェックする必要があります。
歯科医院での定期的なメインテナンスによって、治療後の良い状態をより長く快適に保つことが可能になります。
※当院では定期的メインテナンスに応じていただけることを条件に、修復物に5~10年の保証期間を設けております。
歯周病細菌検査(BML検査)
当院では、歯周病治療にDNA検査を導入しています。
患者様の歯周ポケットに存在する細菌の種類や数を把握することで、それぞれの菌に特異的に働く薬を併用することが可能になり、より高い治療効果をあげられます。
歯周病の原因菌の中には、歯垢や歯石が無くても、歯の周囲の骨を破壊する恐ろしいものもあります。こうした細菌に感染していることが認められる際には、すぐに抗菌療法で対応します。
(DNA検査にはB.M.L社の細菌検査PCR-インベーダー法を導入しています。)
ブラッシング指導
軽度の歯周病の治療、そして歯周病予防には歯垢(プラーク)除去が有効です。
患者様ご自身でご自宅にてプラークコントロールできるよう、歯科衛生士がより良いブラッシングの方法を指導します。
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
歯周病が中程度に進行している際には、ブラッシングでは取ることのできない歯周ポケット内部にこびり付いた歯垢・歯石を、専用の器具で徹底的に清掃します。
歯周病にまでなっていなくても、定期的に予防としてPMTCを受診されると、良好な口内環境の維持につながります。
なお当院のPMTCは、1時間ほどかけてしっかりと丁寧に行なっています。
仕上げにフッ素塗布・ハイドロキシアパタイト塗布を行ないますが、これらは保険診療(保険適用)で受けていただけますので、ぜひご利用ください。
また、一人ひとりの患者様のお口にフィットする3DS(Dental Drug Delivery System)トレイを使った除菌療法、BML検査(BML社製のキットを使ったお口の病気のリスク検査)は自費診療(保険適用外)となりますが、お口の健康維持やご自分のお口の状態を知るために、たいへん有効です。
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フッ素塗布・ハイドロキシアパタイト塗布
エナメル質(歯の表面)の主成分を、ハイドロキシアパタイト(カルシウムとリン酸からなる物資)といいます。
フッ素には、エナメル質から溶け出したカルシウムを歯に戻す「再石灰化」を促す働きがあるので、酸に強い歯になります。細菌の活動を妨げ、脱灰(酸で歯が溶かされる現象)を抑制することもできます。また、ハイドロキシアパタイトには、歯の表面を滑らかにし、歯垢や着色汚れを付きにくくする働きがあります。再石灰化も促します。
このフッ素やハイドロキシアパタイトをクリーニング後の歯に塗布することで、より効果的に虫歯を予防できます。 -
3DS(Dental Drug Delivery System)トレイ
3DSは、虫歯や歯周病の原因となる細菌を薬液で除去し、それらの進行や発症を予防する方法です。一人ひとりの患者様のお口に合った3DSトレイ(歯列トレイ)を使うことで、効率的に細菌を減らしていくことができます。
まずは型を取ってトレイを作製し、お口の中を丁寧にクリーニングします。その後、トレイに薬液を入れて数分間装着し、除菌が完了します。自分専用のトレイなのできちんとフィットし、薬液がもれたりすることなくしっかりと細菌に作用します。トレイと薬剤はご自宅でもお使いいただけます。 -
BML検査
唾液をもとに、虫歯を発症するリスクを総合的に調べる検査です。BML社製のキットを使って唾液を採取し、同社に検査を依頼するので、より精度の高い検査結果を得られます。
虫歯の発症には、生活習慣、唾液の量や質、細菌の量、プラークの量などさまざまな要因が関わり合っています。BML検査を行なうと、それらの数値がわかりやすく現わされ、お口の中の状況や虫歯になるリスクをきちんと把握することができます。それをもとに今後の予防対策を検討できる、たいへん有効な検査です。